11.03.2011

書の教え_51

光の三原色ってあるよね ... この三色の原理って、ずいぶん古い時代から人間はちゃんと知っていた。そして後世に「生物学」が発達して、目という臓器に科学のメスがおりると、なんとまあ、その赤•緑•青の三色にまさに対応した色細胞が網膜から見つかって世の中の人は驚いたんだ。「三色の原理は生物もちゃんと知っていて、それに対応させて網膜を発達させたんだな。人間の目とは、やはりうまくできているもんだなあ」と。
でも、それってそんなに驚くべきこと?だってさ、ほんと言うとこれって当然なんだよ。光というのはもともと三原色に分けられるという性質のものじゃないんだ。網膜に三色に対応する細胞がたまたまあったから、人間にとっての三原色が赤•緑•青になっただけなんだよ。


赤外線や紫外線が見える動物もいれば、赤や青が見えない動物もいます。


三原色をはじめ、人類が発見し共有してきた法則や一般概念は、ヒトの能力で認識出来る情報に秩序を与える試みなのかもしれません。


脳科学者や言語学者が、人類の共有概念からヒトの基本的な認識や情報処理や概念一般化のロジックを調べて、「世界」のほころびを発見する作業はとてもエキサイティングです。


ー「進化し過ぎた脳」池谷裕二


ghost writer